刃を洗うもの

こんばんは、宮本一二三です。

最近、米澤穂信の太刀洗万智シリーズの「真実の10メートル手前」と「王とサーカス」を続けて読みました。
太刀洗さんは、「さよなら妖精」という作品からの、スピンオフ的なキャラクターなんですが、彼女の透徹した美意識みたいな物には痺れるものがあります。
あなたも傷つけるけど、私もしっかり傷つくから、宜しくみたいなね。「真実の~」のほうは短編集で文章の区切りとしては大変読みやすかったんですけど、内容に救いのないものが多くて精神的にキッツイ。
本当に人死と救いのない流れや登場人物の悪意がキッツいんですが、その中でも純粋な思いをもった存在は本当に綺麗に描かれていて、そこが不思議な透明感を生んでいると思います。技量のない人が描いたらたぶん胸糞なだけになりそうなものを、不必要なドロドロは沈殿させて上澄みのすきとおった部分を多めにとっている感じ。ヘンなたとえですが。

「王とサーカス」のほうは、太刀洗さんの真の敵はもう状況や前情報や感情の流れからいってあの人しかいないだろう、と、とても納得できるのに誤魔化しかたというか読者の盲点に持っていくのが本当に巧くて呻りました。
内容的にはつねづね自分が考えていることというか未読状態でこの前書いたブログ記事とおなじこと書いてる! とシンクロぶりに驚きました。
とくに画像(写真)は取り扱いをまちがうと過剰にセンセーショナルになるので、気をつけねばならないって部分と、ほかにもっと凄い表現媒体はあるんだろうけど、自分がかきたいから、かくって部分が。あと、自分が書いていない部分で言うと、「よけいな夾雑物は、自分のポリシーとしても信用面としても損なうので入れない」って部分でしょうか。マーマレードの話だけど。私が作る加工品はほぼ原材料と砂糖のみみたいな物ばっかりなんです。
表現面では、作り手のよけいな感情こもっていなくてありのままをそのままだすようなもんが一番上等で美しい物だと考えています。
歌というか、セミプロの歌手はそれがわかりやすいですよね。セミプロの絵描きもなんですけど。「ワタシ巧いでしょう?」みたいなモノが過剰に滲んでいると鼻につく。……自戒をこめて書いてます、このへん。


◇ 目が細いらしい太刀洗女史 ◇ ざっくりラクガキー。
2019-02-18 tachiarai-san
本文の描写なんですが、ネパールは高山でありえないくらいに乾燥してそうだから日焼け止めだけじゃなくてリップクリームも使わせてあげて! となりました。絶対唇荒れるって。
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